蝉なくやつくづく赤い風車 小林一茶

夏期講習記述の問題で高村光太郎の『蝉の美と造型』を扱う。
欧米人が芸術の対象とするものは、ヒエラルキートップにあるもの、つまりは神に近いところにある生物だから、馬や犬というところになる。
ところが、日本人は自身の身近にあるものを対象とする。
夏だと、蝉。
光太郎はパリ在住中も、ひたすら身近なものに彫刻の契機を求めた。
セミの彫刻的契機は、その全体のまとまりのいいことにある

以前紹介した我が庭にある桜の木。
春は花をつけ、夏は蝉時雨を生む。
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木回りにはこういうものが・・・
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折しも、地上波深夜放映の『セミオトコ』は、地上生活わずか7日間の蝉の話。
光太郎が、彫刻を通じて自身が日本人であることを確認したように、こういう話に惹かれるところが、典型的な日本人だ、内田。