ena新セミ冬期講習【かずの攻めの現代文ロジカルリーディングゼミ】の第一日は次の文章から始まる。

 

 

監禁の時代の端緒を告げるのは、一六五六年にフランス国王が発表した「一般施療院」の設立を命じる布告である。パリに最初に設立された施療院だけでも、住民の一パーセントに相当する六千人の一貧者が監禁された。国王の権力のもとに、住む家をもたない貧者が閉じ込められることになったのである。
これらの貧者が施療院に監禁されたのは、狂人だからというよりも《理性》に反する者だからである。そして施療院は現在の病院ではなく、「当時フランスにおいて組織されつつあった君主制的でブルジョワ的な秩序の権力機構の一つ」である。
この種の施設は数年間でヨーロッパ中に広まった。フーコーは雑多な人々をすべて同じ施設に監禁しようとするこの試みが普及したのは、ヨーロッパ中においてひそかに共通の感受性が形成されていたからだと考えている。
『フーコー入門』 中山 元

 

この施療院こそがオピタル・ジェネラル。
新セミ新宿校のある初台には新国立劇場があって春先にはオペラ『マノン・レスコー』が上演される予定だった。
コロナ禍で上演は中止になったが、1731年発表の原作で、美少女であり性に奔放なマノンが入れられたのが、このオピタル・ジェネラル。

少し時代は下るが、北九州予備校では、ジャン・ジャック・ルソーの社会契約論を扱っている。
ルソーと言えば、1760年に発表された『ヌーベル・エロイーズ』を紹介したい。
貴族の娘ジュリと平民の家庭教師サン=ブルーの身分違いの恋。
この時代だから、女の身分が低ければ男が高くても成就したのに、逆なんだよね。
家庭の事情もあって、ジュリは30歳離れた父親の友人に嫁がされてしまうのね。その夫がサン=ブルーを雇用することにφ(゜゜)ノ゜
恋心を抑えて友人として向き合う2人を中心とした書簡小説。