博多滞在も9日目。

生徒たちの期待に応えて、ひたすら添削した。

今日の一冊は

『世界は贈与で出来ている〜資本主義の「すきま」を埋める倫理学』
ニュースピックス社刊
近内悠太著

内田は授業で、患者の物語を重んじる医療についての話をすることが多い。
物語とはナラティブ(narrative)とも言う。
Narrative-Based-Medicineが物語に基づく医療。

じゃあ、物語って何よ?

という事になるんだけど。
それを本書では、わかりやすく説明している。

認知症を患った母親が、毎日16時になると外へ出て行ってしまう。
いわゆる徘徊(今は、独り歩きと言う)だ。
息子は必死になって外出を止めようとするが、母親は喚き、暴力をふるう。
相談されたベテランの介護職員は、母親の兄に連絡をとり、「16時」というワードで何かヒントはないかと尋ねると、16時は幼かった息子が幼稚園からバスで帰って来る時間ではないかと答えを得る。
そこで、介護職員は母親に「息子はお泊り会で帰って来ない」事を告げると、笑顔で母親は部屋へ戻った。
次の日も、また次の日も。

☆「徘徊」という行為ではなく、「息子を迎えに行く」という物語の中を生きる☆

筆者はそこから贈与について説明するんだけど、それは、また別の機会に❗

明日は帰京するので、今夜は内田総合研究所員と博多牛を食べる
席でのカットサービスが有名な店。