今年も出初式の画像を頂戴した。


能登半島地震から2週間が過ぎた。
被災地・石川県。
金沢医科大学のある内灘は、かつて寒村だった。

今日の一冊は

『内灘夫人』五木寛之著 新潮文庫

1952年、朝鮮戦争を背景に在日アメリカ軍が砲弾試射場の候補地を内灘とした。
これに対し、地元住民は反発。
その反対運動は全国に広がった。

鎮圧された闘争を共に闘ったカップルが結婚し、活動家だった夫は広告代理店社長として高度経済成長を生き抜く。
東京郊外にある豪邸に住む妻は、闘争を忘れることが出来ずに廃人のように生きる。

70年安保前の大学紛争の喧騒の中で、妻は若き活動家の青年に新宿で出会う。
その顔には、かつて活動家だった頃の夫の面影があった。

五木寛之の作品の中では、一番好きなものなんだけど。
文庫本解説は三木卓。

☆青年期に1人の人間がいる、ということの一つの証左は、かれが、自分には(あるいは自分たちには)この世界の法則があてはまらない、と信じているかどうかに見ることができると思う☆

内灘には、1972年に金沢医科大学が出来、この町は寒村から脱する。